AIについて①〜The100の場合〜
世の中にAIということがだいぶ馴染みました。新聞でAIという言葉を見ない日はないですね。
僕がAIに興味を持ち始めたのは遅ればせながら昨年でした。AIが将棋で人間を越えた等の話題が世間を騒がせていたころでしょうか。
そもそもAIってなんなんだ?というところから、何冊も本を買い、勉強しました。
そして、実際にAIを扱っている仕事に就き、日々AIが世の中に与える影響の大きさを肌で感じています。
何回かにわけて、AIについては言及していきたいと考えていますが、今日はドラマの話です。
僕はアメリカのドラマが大好きで、英語の勉強のためにも、毎日帰宅後寝るまで1日に3エピソード程見ています。
そのアメリカドラマの中でも2010年代に入ってから、AIがよく出てくるようになりました。(実際には今に始まったことではありませんが)
最近見た中では、「Person of Interest」と「The 100」が特に印象的でした。
というのも、どちらも2045年頃に訪れると言われている、シンギュラリティがドラマの中で描かれているからです。
ちなみに、シンギュラリティというのは
AIが全人類の頭脳を越えること、AIが更に優秀なAIを作り出す無限ループに入る、まぁ要はAIに人間が負けて、AIに支配されるような世界になるかもってことです。
最近の書籍は、シンギュラリティは来るとか来ないとか、そんな議論をしている本が多いですね。
ちなみに僕は、シンギュラリティは来ないと思ってはいますが、来たら面白そうだなという期待も持っています。
さて、今回は「The 100」のほうのお話をしたいと思います。
※ネタバレが嫌な方はここから先は読まないで下さい。
「The 100」は、地球で核戦争が勃発し、人間が住むことができない星になったあとのお話です。宇宙に約100年ほど避難していた地球人が、酸素の欠乏等によって、約100年ぶりに地球に戻ります。
はじめ(シーズン2くらい)までは、AIなんて出てこないんですが、シーズン3くらいでいきなりAIが登場します。
というのも、そもそも地球で核戦争が勃発したのは、AIが地球をより良くするために考え出した結論が、
「人間を減らすこと」
というふうに考え出したからというオチ。SF映画によくあるやつですね、地球を良くするためには人類を一度滅亡させる、的なやつです。
いやーでもこれを見ていて本当に考えさせられました。
100年後の地球でAI(バージョン1)の考え出した良い地球というのが、
人々が痛みを感じず、自由に気楽に暮らせる世界
みたいなもので、チップを飲み込むと、精神だけその世界(VRの世界)に行けるわけです。そして、その世界に全人類を来させるために、AIが人間たちを操って、争いが始まるんです。それに対して、より良い地球を作るために、今度は過程も大事にした、バージョン2のAIが登場して、初期のAIと戦うわけです。
いやーでも、「確かにな。」って思ったんですよね。
哲学みたいな話になっちゃいますけど、人それぞれ幸せの定義って違うわけですから、もし仮にシンギュラリティが起こって、人類の幸せを求めるAIが現れたら、このドラマと同じように、地球を滅亡させるのかなーと。
逆に言えば、それぞれの幸せを求められるのは人間の特権だと思うので、僕は、特にこれから幸せを追い求めていく子供達には、AIに負けない人材になってもらって、上手くAIと共存できる日本を作っていってもらいたいなと思います。
次あたりにはAIに負けないための教育について書きたいと思っています。
これからの英語教育【小学生編】〜EN様セミナーに参加して〜
前稿に引き続き、英語教育改革についてお話していきます。
今回はズバリ小学英語
英語教育改革は小学生英語抜きには語れません。
○授業数○
小学校では3年生から英語が始まるようになります。
小3・4年が週1コマ(週40分)
小5・6年が週2コマ(週80分)
の授業数です。
決して多くはないですね、この中で700単語を完全に習得できる子は何人いるのでしょうか。
○単語数○
実は、この英語改革で1番大変だと言われているのが、単語数。
小6までの修得単語数は600〜700語
現在の中学1〜2年生くらいの単語量でしょうか。
ただ、その中には基本動詞や形容詞はもちろんのこと、頻度副詞や序数、月、曜日も含まれます。
ここでまず差が開くんですよね…。
現在の中1生では、もうすでに曜日、月なんか母国語のようにわかっている生徒と、いつまで経ってもTuesdayとThursdayがごっちゃになったりしちゃう子。
○文法○
文法的には、基本的には「Iとyouの世界」での会話を扱うことにより、多くの中1生がつまずく、「3単現のs」を避けて通ります。
ですが、文法的には、過去形やcan、would you?等に加え、be good at Ving等の動名詞を含む表現も登場します。
これを、文法説明抜きで、ひたすら英語のシャワーを浴びて習得していくわけですから、小学校の先生達は苦労されるでしょうね。
○発音○
早くから英語を勉強するメリットって私は正直、正しい発音を身に付けること、くらいしかないと思っています。
歳を重ねるほど、母国語の口、舌の使い方で慣れてしまいますので、発音に限っては、1歳でも早く英語に触れるべきだとは思います。
しかし、ここで問題視されているのが、
今まで英語指導をして来なかった小学校の教員が、「正しい発音」を子供達に教えられるのか?
ということです。
早く学べばネイティブに近い発音ができるようになるかもしれませんが、
その早く学んだ発音がもし正しくなかったら…???と考えると怖くなりませんか?
ネイティブ講師の方が授業をすると言っても、必ずしもきれいなアメリカ英語を話す方ばかりではありません。ましてやネイティブ講師を確保するのに苦労してるわけです。質の高い講師を集められるのか…?
しかし
現在英語力をはかる基準として、CEFRという「Can Do」ベースではかる方向に進んでいます。これは、ネイティブのように話すことがゴールではなく、コミュニケーションツールとしての発信型英語をどれだけ使えるかということをゴールにしていて、私はこの考え方に大いに賛成しています。もちろんネイティブ発音(もはやネイティブ発音が何なのかも怪しくなってきている時代ですが)に近ければ良いに越したことはありませんが、コミュニケーションとして世界で通じれば、英語を使えると言えるわけです。それじゃあ、1歳でも早く英語を学ぶメリットが発音なのであれば、なんのため?ってなりますね。
よく、母国語が完成しきってないのに外国語を学ぶのはどうなのか?とか議論されてますが、僕はどちらかというと、母国語を大事にしたほうが良いと考えている側の人間です。
というのも、英語を第二言語という、ひとつのツールとして学ぶわけですから、語彙力や文章構成能力、論理的に話す力を母国語で養わないと、英語が話せたところで真の意味での国際力はつきません。
わかりやすく言い換えると、母国語をしっかり理解して、しっかり喋れないと、英語で簡単な日常会話ができても、仕事や学会で使えるような英語力は習得できないということです。
まずは日常会話レベルが話せるレベル、道案内ができるレベル、というのはもちろんわかりますが、日本語もろくに論理的に話せないのにそっちを目指しても、それこそAIの餌食になるだけだと思います。
日本人の英語にズバリ足りない物、
これからの時代は国際ツールとしての英語をいかに使えるかの時代、発音がネイティブのようにできないとか恥ずかしがらずに、とにかくたくさん発信することです。それを、せっかく小学3年生から英語を学ぶ子供達には知っておいてもらいたいです。
これからの英語教育【中学校編】〜EN様セミナーに参加して〜
本日はエデュケーショナルネットワーク様主催のセミナーに参加して来ました。
初めて赤坂に行き、赤坂サカスなるものを初めてこの目で拝みました(笑)
心無しか、赤坂にいる女性は皆さんお綺麗でした。
そんなことはさておき、やはり有識者の方々のお話は非常に勉強になります。
今日1番驚いたのは、
①中学3年生の英検3級取得率
②高校生の英検準2級取得率
③教員の方々の英検準1級取得率
上記全てで、
福井県が断トツで全国1位であるということです。
ちなみにそれぞれ60%くらいだそうです。
実際そこには、英検取得者への高校入試での加点を実施したというオチがありますが、どうやら、教員の方々の英検準1級取得率と、生徒たちの英検取得率には因果関係がありそうな感じでした。
ちなみに、
中学校英語教員の英検準1級取得率は全国で33.6%
だそうです。
英検で全てが測れるわけではないことは重々承知ですが、それにしても中学校教員の準1級取得率はあまりに低い気がします。(かくいう私も英検は2級までしか取っていませんが笑)
新たな外国語教育では、中学生の必要語彙数が現在の1200語から、なんと2200〜2500語(小学校で600〜700語+中学校で1600〜1800語)と、倍増します。
また、文法では、仮定法や原型不定詞が中学校に降りてきます。
これまでも、1/4の中学1年生が、中1後半(3単現のsや進行形、過去形)でつまずいてきたものを、更に負担が増し、それを1/3しか英検準1級を持っていない教員に指導させる…。
これは完全に塾の出番です。
今以上に塾が必要な子供達で溢れるはずです。
しかし、塾でも人手不足の今、学校で置いてきぼりをくらった子供達の対応をしていくことは難しいと思います。
そこで登場するのが、AI等のデジタル教材ですね。これからの塾はICT教材をいかに上手く活用するか、ここに成功のカギがあると共に、子供達のためにも、学校・塾の壁を取っ払って、子供達のためにより良い教育を提供できるようになってほしいと思います。
外国人労働者の方々を見ていて感じること
先日、秋葉原の某金沢カレーチェーン店にお昼休みに行った時のことでした。
大好きな金沢カレーをのんびり食べながら、いつものように人間観察をしていました。
近頃では当たり前になってきていますが、店員さんは全員外国人。恐らく、中国系の方が数名とベトナム系の方が数名、日本語で楽しそうに話しながらお仕事をしていました。
(こういった職場では、母国語を話すことは禁じられているのでしょうか??)
まぁまぁ、都内なら当たり前のことだなーと思いつつ周りを見回すと、お客さんたちも全員外国人。
なんと店内にいた日本人は僕一人でした。
中国系の店員さんと中国系のお客さんが日本で話して注文して、面白い光景ですよね〜
人手不足という言葉を聞かない日はないこのご時世。
東京都の最低賃金は958円。それでも世の中の高校生達は、
「時給1000円以下とかあり得ない」
と豪語する子達も少なくありません。
(時給1000円分の働きができるの?と言いたい気持ちは常に抑えていますが…)
正直言って、高校生のバイトレベルでできる仕事はAIでも、日本語が片言の外国人にでもできる仕事がほとんどだと思います。
今後、今ある職業の60%(人によって言うことは違いますが)がなくなり、新たな職業が生まれると言われています。
そのなくなる60%というのは、AI等による機械化でなくなっていくわけです。
それに加えて、当然、誰にでもできる仕事は海外から来た外国人の方々に担っていただくことになると思います。
日本人、特に、
「AIの苦手な分野においてもAIに劣ってしまう人たち」
はどうやって今後生き残っていくのでしょうか?
ベーシックインカム?Youtuberになる?仮想通貨に投資する?
まぁ、Youtuberや投資で成功できるような方々はAIよりはるかに優れているわけですが…
英語を喋れるようになって国際力をつける?
今後AIの発達で、言語の壁はどんどんなくなっていくことと思います。
英語が喋れるということが、活躍するツールにすらならなくなってくる時代になるかもしれません。
そういった意味では、やはり、日本人全体の英語コミュニケーション力の底上げ(大卒生は旅行先での雑談や仕事での軽いやり取りが英語でできるレベルまで)というのは、必要なのかもしれませんね。
その上で、英語を使って、しっかりと筋道を立てて自分の意見を言える、そもそもの人としての表現力、思考力、判断力をつけていく。
英語を喋れるようになるために、英語を専門的に学ぶのではなくて、
自分の得意分野を持ち、そのことについて、英語で話ができる
というレベルに、大卒生はなっていかなくては、真の国際力とは言えないのではないかと思います。
英語でコミュニケーションが取れるだけでは、外国人の労働者の方々、AIに負けてしまいます。
現在国が英語4技能というテーマで推し進めている教育改革は、この方向に向かっていると思いますが、果たして現場の教育者や当事者である生徒たちは、そこまで考えて指導・勉強しているのでしょうか…??
日本の英語教育について
秋葉原勤務になってから、英語を使う機会というか、外国人と話す機会が増えて、改めて感じること
外国人(中国人や欧州人)は特別な英語の勉強をしていなくても当たり前に英語でコミュニケーションが取れる
完璧な英語じゃないにしても、躊躇うことなくしっかりと自分の意思を伝えてくれます。
これを日本人に置き換えると、日本人で大学を出てる人はたいてい、簡単なリスニングと単語の羅列による意思疎通、また、1往復の会話はできる人が多いけれど、何往復も続く会話はできない。これは、日本の英語教育だけが原因ではなくて、国民性だとか、色々な要素はあると思うし、答えの出ない議論なので深くは言及しないでおきます。
新しい職では、「英語スピーキングを採点してくれるAIが搭載されたシステム」のコンテンツ編集、営業をしています。
今までは英語を教える立場で、どちらかというとミクロな視点で英語教育について考えていましたが、生徒からの距離がまたより一層離れ、また、AIという感情のない機械を通して、日本の英語教育について考えると、以前よりもマクロな視点で考える必要が出てきました。
英語を喋ることになんとなく恥じらいを感じる日本人にとって、機械相手にコソコソ練習を何度もできるというのは、非常に合っていると感じています。
ただ、入試改革でスピーキング試験を導入して、日本人の英会話力を上げようとしても、僕は正直今のこの状況は変わらないと思っています。
それはなぜか?
結局入試のための勉強に過ぎないから
日常の中でのコミュニケーションツールとしての英語力はさほど変わらないのではないかなと思います。
気になって、中国の子会社の同僚(彼は中国国内で普通に英語の勉強をしただけで、英語がペラペラなのです)に
「中国ってどうやって英語を学んでるの?日本ではまず中学校では文法ベースで習うんだよ」
と聞いたところ、
「中国も10年前くらいまではそうだったよ、でも今はとにかく少しでも多くの英文に触れて、少しでも多く英語を使うような勉強で、中国語訳をしたりすることは基本的に英語を勉強する上でよくないと言われてるよ」
と教えてくれました。
中国では10年ほど前から、大学入試にスピーキング試験があります。そりゃ、色々な面で中国に遅れをとるわけですね…
じゃあ、日本の英語教育をどうすればいいの?
って話なんですが、僕は今、色々と考えすぎて、一周回って、さっぱりわからない状態です。というか、文部科学省も含め、有識者の方々もそれぞれ意見はお持ちですが、こうすれば絶対に日本人の英語力が上がる!なんてものはないわけですよね…
ただ、少子高齢化、人口激減の日本の未来を考えると、英語力(僕の意味している英語力は、発音や文法の正しさ等はさておき、英語を使って何往復もの意思疎通ができるということです)の向上は必須だと思います。
それに少しでも貢献できたら良いなと思いつつ、日々暮らしいています。
今後も備忘録としてこのように僕の教育に対する考え、気持ちを記録していきたいと思っています。
是非皆様のご意見もお聞かせください。