教育の答えを探して…

教育についての考えや気持ちを綴っていきます。皆様のいろいろなご意見をお聞かせください。

これからの英語教育【小学生編】〜EN様セミナーに参加して〜

前稿に引き続き、英語教育改革についてお話していきます。

今回はズバリ小学英語

 

英語教育改革は小学生英語抜きには語れません。

 

○授業数○

小学校では3年生から英語が始まるようになります。

小3・4年が週1コマ(週40分)

小5・6年が週2コマ(週80分)

の授業数です。

 決して多くはないですね、この中で700単語を完全に習得できる子は何人いるのでしょうか。

 

○単語数○

 実は、この英語改革で1番大変だと言われているのが、単語数

小6までの修得単語数は600〜700語

現在の中学1〜2年生くらいの単語量でしょうか。

ただ、その中には基本動詞や形容詞はもちろんのこと、頻度副詞や序数、月、曜日も含まれます。

ここでまず差が開くんですよね…。

現在の中1生では、もうすでに曜日、月なんか母国語のようにわかっている生徒と、いつまで経ってもTuesdayとThursdayがごっちゃになったりしちゃう子。

 

 ○文法○

文法的には、基本的には「Iとyouの世界」での会話を扱うことにより、多くの中1生がつまずく、「3単現のs」を避けて通ります

ですが、文法的には、過去形やcan、would you?等に加え、be good at Ving等の動名詞を含む表現も登場します。

これを、文法説明抜きで、ひたすら英語のシャワーを浴びて習得していくわけですから、小学校の先生達は苦労されるでしょうね。

 

 ○発音○

早くから英語を勉強するメリットって私は正直、正しい発音を身に付けること、くらいしかないと思っています。

歳を重ねるほど、母国語の口、舌の使い方で慣れてしまいますので、発音に限っては、1歳でも早く英語に触れるべきだとは思います。

しかし、ここで問題視されているのが、

 

今まで英語指導をして来なかった小学校の教員が、「正しい発音」を子供達に教えられるのか?

 

ということです。

早く学べばネイティブに近い発音ができるようになるかもしれませんが、

その早く学んだ発音がもし正しくなかったら…???と考えると怖くなりませんか?

ネイティブ講師の方が授業をすると言っても、必ずしもきれいなアメリカ英語を話す方ばかりではありません。ましてやネイティブ講師を確保するのに苦労してるわけです。質の高い講師を集められるのか…?

 

しかし

現在英語力をはかる基準として、CEFRという「Can Do」ベースではかる方向に進んでいます。これは、ネイティブのように話すことがゴールではなく、コミュニケーションツールとしての発信型英語をどれだけ使えるかということをゴールにしていて、私はこの考え方に大いに賛成しています。もちろんネイティブ発音(もはやネイティブ発音が何なのかも怪しくなってきている時代ですが)に近ければ良いに越したことはありませんが、コミュニケーションとして世界で通じれば、英語を使えると言えるわけです。それじゃあ、1歳でも早く英語を学ぶメリットが発音なのであれば、なんのため?ってなりますね。

 

よく、母国語が完成しきってないのに外国語を学ぶのはどうなのか?とか議論されてますが、僕はどちらかというと、母国語を大事にしたほうが良いと考えている側の人間です。

 というのも、英語を第二言語という、ひとつのツールとして学ぶわけですから、語彙力や文章構成能力、論理的に話す力を母国語で養わないと、英語が話せたところで真の意味での国際力はつきません

わかりやすく言い換えると、母国語をしっかり理解して、しっかり喋れないと、英語で簡単な日常会話ができても、仕事や学会で使えるような英語力は習得できないということです。

まずは日常会話レベルが話せるレベル、道案内ができるレベル、というのはもちろんわかりますが、日本語もろくに論理的に話せないのにそっちを目指しても、それこそAIの餌食になるだけだと思います。

 

日本人の英語にズバリ足りない物、

これからの時代は国際ツールとしての英語をいかに使えるかの時代、発音がネイティブのようにできないとか恥ずかしがらずに、とにかくたくさん発信することです。それを、せっかく小学3年生から英語を学ぶ子供達には知っておいてもらいたいです。